2015年05月19日

トキワバイカツツジ観察会が実施されました

トキワバイカツツジをご存知ですか?初めて名前を聞くという人がほとんどと思います。それもそのはず、1984年に発見された宇和島市のごく一部のみに自生する希少な植物で、愛媛県RDBの掲載種でもあります。花期は4月下旬〜5月上旬、丸みのある花はかわいらしく香りが良く、園芸的に価値が高いために盗掘が懸念され、特定希少野生動植物に指定、採取等が禁止されています。(愛媛県RDBで検索できます)
このトキワバイカツツジを調査・保全するとともに、資源として活かすための模索が地元有志によるNPO「トキワバイカ*プロジェクト」によってスタートしました。そして、第1回観察会が4月末から5月7日までの5日間行われ、約50人の参加者が開花の様子を観察しました。自生地は渓谷沿いで、もともとは里山として適度に人の手が入り、日当りが良く、生育に適した環境だったと考えられますが、現在ではシイ・カシの林が発達して光条件が悪くなり、生育環境が悪化していることが懸念されています。
トキワバイカツツジが世界のここだけに生育するに至った理由を、専門家の話をうかがいながら推理することは、ロマンがあり、また人と自然の関わりを深く考える機会にもなりました。
トキワバイカ*プロジェクトは、トキワバイカツツジを育んだ宇和島の自然と、文化、人をつなぎ、宇和島の魅力を発信するプロジェクトを推進していく方針とのこと。注目です!P1.jpg
観察会の昼食は採取した野草の天ぷらとシカ肉
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観察会の様子
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トキワバイカツツジ開花の様子
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2015年04月23日

ESDカフェ

皆さんは香川県から瀬戸大橋を渡った岡山県岡山市で開催されているESDカフェを知っていますか?

2010年から行われているESDカフェでは各回のテーマごとにゲストを招き、お話の後に意見交換を行っています。持続可能な社会づくりを進めていくために、さまざまな人が集まり、立場や役職に関わらず自分の想いや疑問を話し合い、対話を進めていく場でもあります。

今回のゲストは岡山大学の理事・副学長、また、岡山ESD推進協議会の企画委員長でもある阿部宏史先生で、ESDの10年の振り返り、また、今後の流れを含めたお話をしていただきました。その中で、2015年以降のESDの取り組みを推進する、グローバルアクションプラン(GAP)について紹介があり、具体的に、@政策的支援、A機関包括型アプローチ、B教育者、Cユース(youth)、D地域コミュニティの5つが優先行動分野として位置づけられたことや、全体的な目標としてESDを加速するために、教育・学習のすべてのレベル・分野で行動を起こし、拡大しようとしていることが分かりました。

その後、参加者内でグループを作り、「今後のESDカフェ」について意見交換を行いました。どんなテーマについて話し合いたいか、誰をゲストとして迎えたいかなどを付箋に書き、共有しました。私のグループでは、「ESDを普及させるため企業が行っているESD活動の事例を知りたい」、「事業所で実施しているどんぐりポイントを他企業に普及するためにどのようなアプローチを行えばいいか」など、ESDの普及啓発に関わるものや、「ESDの今後について包括的に学ぶ場であって欲しい」という今後の動きに焦点を合わせた意見があり、今後も多様性に満ちたESDカフェが開催されることが期待できる話し合いの場となりました。ちなみに今回のESDカフェへの参加者は40人と通常に比べて多く、世界会議が開催された熱気を未だに感じることができました。

ESDカフェは岡山県岡山市で毎月第3木曜日に開催されています。
参加者が多様であるからこそ、「えっ、これもESD?!」と思うようなテーマが次々と企画されるのではないでしょうか?今後も岡山のESDカフェから目が離せません。

詳細情報は下記、HPをご覧ください。
水と緑が合言葉 おかやま ESDなび
http://www.okayama-tbox.jp/esd/pages/esdcafe
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2015年03月31日

第1回bikebiz推進フォーラム

もうすぐ、4月です。
まだまだ、寒さの厳しい日もありますが、柔らかい日差しがのぞく、春が近づいています。
手袋なしで、軽快に自転車に乗れた、そんな日和にbikebiz(バイクビズ)フォーラムに出席しました。

家庭部門で排出されるCO2の内、約1/4が移動関連と言われています。1/4というと大きな割合です。そこで、主に自動車への過度の依存を見直すという主旨で平成21年よりbikebizの取り組みは始まりました。

今回参加した第1回bikebiz推進フォーラムでは、さまざまな事例発表があり、市長自身が自転車通勤をした例や、自転車道・駐輪場の設備や電車に自転車を積み込める制度など、まずはヨーロッパの先進的な事例が紹介されました。また、コミュニティサイクルに企業の広告を入れることで協賛を得、初期費用を得るなどの取り組みも発表されました。

別の発表では、携帯電話会社がサイクルシェアリングに参入した事例が紹介されました。GPSを活用することで、自転車がよく通る道や観光客が訪れる観光施設・順番、事故があったときの状況把握などができるという利点が述べられました。

行政の取り組みとして、岡山市ではコミュニティサイクルを推進するためにアプリを開発し、各駐輪場の自転車配置状況や返却可能台数が把握できるようになりました。コミュニティサイクルを利用するにあたり、使う側の立場に立った便利な機能が提供されています。

広島県に事業所がある、安田金属株式会社では、自動車通勤から自転車通勤に変更することでCO2削減や近隣の交通渋滞の緩和、従業員の健康の維持を目的に、自転車通勤者を対象に一時金を支給する制度を実施しています。雨天や従業員の都合で自転車通勤が難しい場合にも臨機応変な対応策を設けるなど、取り組みが持続するような設定をしているそうです。

今後、bikebizを広げていくためにも皆さんの周りで良い事例や課題に対するご意見があれば、お寄せいただきたく存じます。低炭素社会を始め、持続可能な社会を形成する責任は私たち個人が担っています。地域を巻き込んだ取り組みへと発展させるために、まずは自らできることを実践したいものです。
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2015年03月19日

平成26年度に四国四県で実施したESD環境教育プログラム概要(日英訳)ができました!

※ クリックして画像を大きくしてご覧ください。1a.jpg2a.jpg
写真1:徳島実証1みんなで協力して集計しよう.JPG
写真2:徳島実証2水を運んでみよう.JPG
写真3:社会科でESD.JPG3a.jpg4a.jpg
写真1:香川実証1.JPG
写真2:香川実証2.JPG
写真3:香川実証3.JPG5a.jpg6a.jpg
写真1:愛媛実証1.JPG
写真2:愛媛実証2.JPG
写真3:愛媛B (1).JPG7a.jpg8a.jpg
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写真2:高知実証2.JPG
写真3:高知実証3.JPG





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2015年02月27日

協働ギャザリング

最近、「協働」という言葉をHPなどでもよく聞くようになりましたが、みなさんは「協働」とは何かご存知ですか?

「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律」(以下、環境教育促進法)によると「協働取組」とは、「国民、民間団体等、国又は地方公共団体がそれぞれ適切に役割を分担しつつ対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育その他の環境の保全に関する取組」(第一章 総則 第二条4)と定義されています。持続可能な社会を構築するために、社会に必要な環境保全活動やその促進のための意欲の増進、環境教育が重要だと示され、そのうえで協働の重要性が述べられています。(第一章 総則 第一条 )

環境省では地域における課題解決や地域活性化の上で必要な役割を果たしているNPOなどの資金・信頼性の向上支援を目的に、「平成26年度地域活性化に向けた協働取組の加速化事業」の公募を実施し、中間組織の体制強化や地域における協力・連携体制の整備を促進すべき行いました。

今年度は四国から「うどんまるごと循環コンソーシアム」(香川県)、「土佐の森・救援隊」(高知県)が採択され、2月7日に全国の採択団体が集まる報告会にて取組み内容を発表しました。
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報告会第1部のアピールタイムでは、各事業内容を4分で説明、第2部のコミュニケーションタイムで、興味を持った団体のところへ話を聞きにいく形式で実施されました。四国の採択団体は、どちらもたくさんの来場者から質問があり、「どのように協働を進めたか」について工夫した点、苦労した点などを説明していました。その後、第3部のワークショップでは「協働を行う上で新たな関係者をどう巻き込むか」「キーパーソンの重要性」などの題材について意見を出し合いました。
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それぞれの立場、考え方が異なり、協働を進めるのは簡単ではありません。それでも、お互いの立場を理解し、信頼関係を作っていくことにより、協働は実現していくことがこの事業を通じて分かりました。「言うは易し、行うは難たし」と言われます。協働を意識することで自分たちでは気づかなかった問題や可能性、一人ではたどりつけない目標などが達成できるのが、この事業の醍醐味です。熱心に活動されている団体が、四国内にはたくさんあります。四国EPOは引き続き、みなさんをつなぐ組織として、環境情報の発信と団体の発掘と支援を行っています。みなさんからの情報をお待ちしております。
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2015年01月30日

名古屋議定書・生物多様性勉強会

生物多様性の保全と持続的な利用に関する総合的な指針として、四国内の各県で生物多様性戦略の策定が進んでいます。各地での生物多様性に関する取組みは、1993年に発効した生物多様性条約の規定に基づき進められています。条約の目的は、以下の3 テーマに分かれます。
@地域の生物多様性の保全
A生物多様性の構成要素の持続可能な利用
B遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分
@とAについては、各県戦略の内容でも触れられていますが、Bについては、学ぶ機会がなかなかありませんでした。1月23日開催の勉強会は、この名古屋議定書をテーマに高知県立牧野植物園で開催しました。

勉強会では、海外遺伝資源の利活用の現状や名古屋議定書に関する国際及び国内の現在の動向について、大学の研究者や企業、NPO、行政それぞれの立場から取組みの紹介や現況の報告がありました。その後、会場内の一般参加者を含めたパネルトークを行い日頃の疑問や将来研究や事業がどのように関係してくるかについて質疑が行われ、条約や議定書を自分事として考えてもらうためのきっかけとなりました。
具体的には、普段の生活で利用している化粧品や薬、食料の中には、国外で発見された有用な植物や微生物といった資源を研究して開発されたものが少なくありません。これまで私たちはさまざまな種類の資源を海外から輸入してきました。しかし、海外で得た資源が国境を越えて移動した際に、資源の利用者は、原産国と対等かつ衡平な関係をどう担保していけばいいのか定められていませんでした。この議定書はそのような問題に対処すべく策定された経緯があります。

今後も頻繁に海外機関と生物資源のやり取りを行っていく際に、議定書は、研究利用のみならず衣食住に用いられる動植物資源の取扱いなど、広範囲にわたる医薬品、食物、花卉など身近な開発商品に関係しています。日本は、まだ議定書に批准していませんが、海外では既に批准している国もあり、今後、海外と遺伝資源を使った共同研究や製品開発を円滑に進め、相互に利益を得ていくためには、議定書の動向を確認しつつ、遵守していくことが必要となります。
名前は聞いたことがあるけれど、内容については知られていない議定書についても、このような場を通じて広めていく必要性をあらためて感じました。
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(参考)〜生物多様性条約・名古屋議定書とは〜
名古屋議定書は、2010 年に愛知県名古屋市で開催された第10 回生物多様性条約締約国会議(COP10)にて採択された生物多様性条約の議定書で、正式名称は「生物の多様性に関する条約の遺伝子資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書」です。本議定書は、自然の恵みや微生物などを含む生き物からつくられた製品から得られた利益を、原産国と利用国とで公平に分けるための手続きをはっきりさせることを目的につくられました。
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